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無駄に経済知識

消費税は良いの悪いの?





 あれれ・・・? 深衣奈さん。ここは・・・?


 このコーナーはね。みんなが気になりそうな、日常的な経済知識を披露するコーナーよ。

それでもって、今回、このコーナーの司会役としてあたしたち二人が選ばれたってワケ。


 へええ、それは光栄ですねえ。


 ふふふ、私もいるわよ。


 う、うわっ、会長?! 何時の間に・・・


 そうですよ! 音も無く、私の背後から現れるなんて・・・!


 こんな面白そうなコーナーに私が出演しないわけないでしょう? ふふふ・・・


 ・・・・・・・・。


 ・・・・(それって、私の背後から突然現れた理由に全然なってないような気が・・・)


 と、とにかくっ!

は、話を進めるわよ! 今回、このコーナーで取り上げるのは、この話!



消費税!!




 う、うみゅう〜・・・


 ど、どうしたの? 樺恋?!


 ・・・・・・・嫌なことを思い出してしまいました。


 嫌なこと?


 この前、深衣奈さんに内緒で麻郁さんとデートをした時のことです。


 ・・・・・・・・。


 麻郁さんと私はあるブティックで綺麗なワンピースを見掛けたんです。

それで優しい麻郁さんは、私にそのワンピースを買ってくれると言ってくれたんです。


 ・・・・・・・・。


 でも! そのワンピースの値札には、なんと消費税が入っていなかったんです!

おかげでワンピースは予算オーバー。

・・・わずか250円のために、私と麻郁さんは、そのワンピースを諦めざるを得ませんでした。


 ・・・・・・・。


 この時ほど、私は消費税の存在を恨めしく思ったことはありませんでした!

ああ、消費税! なんで、こんな悪法が日本に存在するのでしょうか?!


 ・・・・・・・・あのさ、樺恋? 恋愛同盟の条文、忘れてない?


 へ・・・? 恋愛同盟?



《恋愛同盟規約》

抜け駆けは、死罪

※兄かもしれない麻郁に恋する二人は、お互い抜け駆けしないように、このような同盟を結んでいるのだ。



 はうううううッ!

ごめんなさい!ごめんなさい!深衣奈さん!

ほんの、出来心だったんですうううッ!


 ・・・・わかれば宜しい。以後、注意するように。


 は、はいッ! (((゜Д゜;)))ガクガクブルブル・・・


 それはそうと、たしかに消費税が、私たち貧乏人にとっては厄介なものであることに間違いは無いわ。

そもそも消費税は日本国民に十年近くも反対され続けながらも、導入された税法なの。


 十年近くも?


 そう。そもそも世界最初に消費税が導入されたのは1954年のフランス。

その後、ヨーロッパ中に広まり、日本でも導入しようという動きが出たんだけど、法案が出るたびに反対されて撤廃。

正式に導入されたのは、1989年4月からよ。




《日本の消費税の歴史》

1978年(昭和53年) 大平内閣時に、一般消費税導入案が浮上する。
しかし、総選挙に大敗し撤回。

1986年(昭和61年) 第3次中曽根内閣時に、売上税法構想が世論の批判を浴びる。

1988年(昭和63年) 竹下内閣時に、消費税法が成立。
12月30日公布。

1989年(平成元年) 4月1日 消費税法施行(税率は3%)




 なんで、こんなに反対されいたのに、導入したんでしょうねえ?


 理由は高度経済成長期の頃に、政府がドバドバお金を使いまくったせいよ。

大手ゼネコンへの受注、外国へのODA、世界一といわれる国連分担金の支払い。

特に韓国と中国が財政破綻するたびに日本は援助していたから、たまったものじゃないわ。

お陰で日本は世界有数の赤字大国になっていたの。


 うううう・・・赤字って、悲しい言葉です・・・


 こうして導入された消費税だけど、政府の赤字を解消させるまでの効果は無かったの。

さらに景気の落ち込みで、国民所得も減り、税収も激減。

仕方なく政府は第二の案として消費税の引き上げを行ったの。


 ええ?! 消費税の引き上げ?!


 そう。だけど、結果としてこれは最悪の事態を招いてしまった。

景気の底を打っていた日本経済に、さらに鞭打つような結果になったのね。

日本経済はさらに悪化し続け、平成不況と呼ばれる不況を引き起こした。

1997年に村山内閣(社会党)が3%から5%に消費税を引き上げてから、2006年までの十年間を「失われた十年」と呼ぶ人もいるわ。


 うう・・・、その間に沢山の失業者や破産者が出たわけですね?


 ええ。1997年の段階で消費税引き上げを行ったのは、ある意味、政治家の判断ミスね。

あの当時、日本の消費税引き上げには、海外のメディアも反対していた。

消費税が引き上げられれば、消費がさらに落ち込んで、景気が冷え込むことが明らかだったのよ。


 でも、導入された・・・と。


 その通り。

政府は国民生活よりも、まず財政赤字の解消を目論んだの。

でも、結果は散々たる失敗。財政赤字問題は今も解消していないわ。

※現在の赤字状況を知りたい方はこちら
※ちなみに消費税引き上げを決定した村山内閣は、総理就任まで消費税に反対だった。



 まったく、当時の政府の人たちには、責任取って自分の財産を国に差し出して欲しいです!

ぷんぷん!


 本当そうね。

だいたい私たち貧乏人の生活を直撃する消費税は許せないわ!

そんな悪法は、とっとと廃止すべきよ!


 そうです! 消費税反対!

税金を取るなら、私たち貧乏人からじゃなくて、お金持ちから取るべきです!


 ぷ! くすくすくす・・・


 か、会長?


 な、何かおかしいんですか? いきなり笑い出して・・・


 ・・・いや。だって貴女たちがあまりにも消費税について、偏った見方をしているものだから。


 はあ?


 偏った・・・・見方ですか・・・?


 ええ、だって消費税が無ければ、貴女たちはもっと沢山の税金を払う目に遭っていたのよ。


 え、ええええっー?!!









【実は一番、平等の税金?】



 さて・・・

日本が消費税を導入した理由は、日本の財政赤字。それは間違っていないわ。

でも、その財政赤字をそのままにしていて果たして良かったのかしら?


 う、うぐ・・・ッ!


 そ、そりゃあ、そのままにはしておけないでしょうけど。

でも、買い物をする度に税金が掛かるなんて酷すぎます!

日用品とかを買うだけで、相当な負担になりますし・・・


 ええ。たしかに相当な負担にはなっているわね。

でも、その頃から日本の赤字国債は膨大なものだったの。

この赤字を穴埋めするには、政府の収入を増やすしかない。つまり増税は避けることが出来なかったの。


 で、でも・・・! それだったらお金持ちだけ税率を引き上げるとか、色々道はあったでしょう?!

何も私たちみたいな貧乏人にまで影響与えるような税金をかけることは・・・


 ふ・・・

面白いこと言うのね。

じゃあ、貴女の言うお金持ちが、その当時、私たち一般庶民と比べて税金を払っているとでも思っているわけ?


 え? 払っていないんですか?


 払ってないわね、ほとんど。


 ええええ?! それは嘘ですよ、会長!!

だって日本には廃人課税制度ってものがあって・・・


 ・・・累進課税制度。言葉ぐらい正確に覚えなさい。


 そ、そうです!

その累進課税制度があるから、お金持ちほど沢山税金払わなきゃ行けないシステムがあるんでしょう?!

だからお金持ちの方が、絶対に私たちよりも税金を払っているはずです!!


 じゃあ、貴女は、そんな沢山税金を払っているお金持ちから、さらに税金を取ろうというわけ?

結構、ひどいのね。貴女。


 う、うぐっ・・・!


 ふふふ、からかっただけよ。

安心して。さっきも言ったけど、日本でお金持ちと言われているような人は、まず税金なんてほとんど払っていないから。


 そうなんですか?


 ええ。まあ、プロ野球の選手や作家は除くけど。

彼らは多くの所得を隠すことが出来ない、ある意味、一番悲惨な職業だから。

とにかくね。頭の良い金持ちは所得そのものはあまり取らないけど、自分が自由にできるお金は目一杯持っていたりしたのよ。

そして、それがバブル期の日本の実情だった。

たとえば、会社の社長なんかは普通の職員と大差ない給料だけど、会社の経費で自分の車を買ったり、社宅を買っていたりしたわけ。

そんなことが当たり前のように行われていたのよ。


 ええええ?!それってズルい!


 経費ならば税金は掛からないわね。

もっと酷いのになると、自分の会社に、あるペーパーカンパニーの株を買わせ、そのペーパーカンパニーを自分の財布代わりにしていた人だっていたわ。

まあ、多かれ少なかれ、当時の日本の社長は脱税のし放題、お金持ちであればあるほど税金を払わないという有様だったわけ。


 でも、そうするとお金持ちほど税金を払わせるのは困難だと言う事ですよね・・・?

それで、政府は何か手を打ったんでしょうか?


 もちろん。それが消費税よ。

人によっては、消費税は貧乏人を苦しめる不平等な税金だとする人もいるけれど、実はお金持ちからも税金が取れるこれはこれで平等な税制なの。

なぜなら、買い物はお金を持っている人であればあるほど高いものを買うわね?

つまり品物が高額であればあるほど高額な税金が掛かる。

高い物を買う人(お金持ち)には、沢山税金が掛かる税制と呼べるわね。


 でも、それだったら私たちが買う生活品は免税してもいいんじゃ・・・


 ええ、そうね。

私は別に消費税が完璧な税制だなんて一言も言っていないわよ。

むしろ、消費税が批難される理由は、税制面の不平等さとかいうよりも配慮の無さなの。

欧米でも消費税はあるけど、彼らの国では食料品などは免税だったり、コストが抑えられたりしているわ。

でも、日本では一律、どの品目においても同じ税率が適用されるから庶民を苦しめるための法律だと見られがちなのね。




日本は2006年現在で5%の消費税であるが、一方で、欧州では10%以上はザラにあり、スウェーデンにいたっては20%を超えている。多くの政治家や知識人はこの数値を取り上げ、消費税増税を正当化するが、イギリスにおいては食料品等の日用品が非課税であることや、高い消費税を取っている国は教育費が無料であるなど福祉が充実していることなど、欧州では払った分だけ国民に還元されることも多い。
この点、日本では増税による国の利益が国民に還元されることは全く無く、後述するように、その目的も専ら「財政再建」のためであって、国民にとっては単純に負担だけが増えるメリットの無い増税になってしまう。
現状のように、貧しい人向けに福祉を充実させるという配慮が全く為されないまま、主に貧困層を狙い撃ちするこの税の増税は「格差社会」が社会問題化している昨今野党を中心に多くの批判がある。

――ウィキペディアの「消費税」よりの引用



 また、これ以外にも消費税は経済の冷却化を起こすことが懸念されているわ。

誰だって買い物するたびに、高い税金を課せられたら買い物する気が無くなるわ。

現に消費税が原因で不況になった国は、日本だけじゃなくてイギリスやスウェーデン、アメリカもそうなのよ。


 じゃあ、会長さんは、やっぱり消費税反対派なんですか?


 私? いいえ、私はどちらかと言うと賛成派ね。

税を広く取るという意味では、消費税はいいアイディアだと思うわ。

ただし、消費税を成立させた本来の目的・・・つまり財政再建を本気で考えているなら、政府も出費に関しては抑えるようにすべきね。

たとえば、日本の外務省が中国の反日映画を製作するために資金援助したりすることは、極力抑えるべきなのよ。

でも、そういうこともせず、ただ税率だけを引き上げていたら私たちは何のために税金を払っているんだ、という気持ちになるでしょうね。


 つまり会長さんは消費税は認めるけど、どうせだったら私たちのために使えって言っているんですね?


 そういうことになるわね。

もっとも、消費税については色んな意見あるでしょうけど。

私としてはそう考えているわね。







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