前回までのあらすじです。

 

 

天下一武闘会に出場した悟空たち。

悟空は順調に勝ち上がり、ついに最後の敵、天津飯と戦うことになる。熾烈な技の攻防戦! しかし、勝敗はギリギリの所で天津飯の勝利だった。

鶴仙流を離れ純粋に強さを求めるようになった天津飯は、悟空の良きライバルとなる。

だが、大団円で天下一武闘会が終わろうとしていたその最中、会場の裏手ではクリリンが何者かに殺されていたのだった・・・

 

 

 

 

 

 

物語が全然違うわよ!

ボケ作者!!

 

 

 

 

 

 

fateキャラで送る金融工学講座

オプション取引

 

 

 

 

 それでは気を取り直して授業を再開するわよ。今回はオプション取引の話よ。

 あれ? 最初のは何だったんだ? クリリンはどうなったんだ?

 クリリン? 何言っているのよ、貴方は?

 作者のいつものjokeです。あまり気にしてはいけません。

 それに前回は、なんだか滅茶苦茶な終わり方してなかったか? 桜とかはどうなったんだ?

 おい、小僧。それぐらいにしておけ。リンの目が据わっているぞ。

 ・・・・・・。

 う・・・・わ、わかった。

 ・・・・物分りが良くて宜しい。では、授業を再開するわよ。今日の授業で教えるオプション取引は、デリバティヴの最大の技巧とも呼べる取引方法だから、しっかり聞いてね。

 

 

【損しない取引?】

 

 たとえば、これから衛宮君が株を買おうとしているとするわ。株は買った時より株価が上げれば儲かるけど、下落すれば損をするわね。

 

↑株を購入した場合、買った時より株価が上がれば儲かる。

しかし、下落すれば損をする。

 

 ああ、そうだな。・・・というか、当たり前のことだろう、それ?

 でも「値上がりした時だけは取引して、値下がりした時は取引そのものを中止することできる」そんな取引があったらどう思う?

 はあ? それって、ようするに利益が出た時だけ取引するってことか? 無茶言うなよ。そんな取引あるわけがないだろ。

 くっくっ、無知というのは本当に怖ろしいものだな、小僧。だから、そういった取引こそ、これから説明するオプション取引なのだ。

 む・・・だけど、そんなこと本当に可能なのか?

 ええ。じゃあ、「オプション取引がどういったものなのか?」それを詳しく説明するわよ。

 

 

【予約券を購入する】

 

 たとえば、私がある会社の業績がこれから伸びると予測したとするわ。そして、その会社の株が100で売られていて、非常に魅力を感じたと仮定するわよ。

 

 

 でも、私はその会社の株を実際に購入する前に、予防線を張って株そのものを購入するんじゃなくて、株を100円で購入できるという権利、すなわち株を購入するという予約券を購入しておいたの。

 予約券?

 

 

 

 ちょ、ちょっと待ってくれ! それじゃあ、先物取引とは変わらないんじゃないか? 先物っていうのは、現在の値段で近い将来に株や商品を購入するっていう契約なんだろう?! どこが違うんだ?!

 くっくっく、愚か者はこれだから困る。先物取引というのは、契約した時の値段で絶対に商品を購入するという契約だ。しかし、オプションは購入するという予約券を買ったに過ぎない。あとで予約した商品が嫌になったら、その予約券を破棄すればいいだけのことだ。

 予約券を破棄する?

 まあ、それについては後で説明するわ。そして、予約した期日、その会社の株価は150円に上昇していた。だけど、私はその株を100円で購入できるという予約券を持っていたので100円で購入できた・・・

 

↑会社の経営が良かったので株価は150に上昇していた。だけど凛はその株を「絶対に100円で購入できる」という予約券を持っていたので、150円の株を100円で購入することができた!

 

 そして、私はその株を誰か別の人に売却すれば50円の儲けね。もちろん、150円の株を100円で購入できるという権利そのものを他人に売却することも出来るんだけど、その辺はややこしくなるから説明を省くわ。ただ、投資家はオプション取引でどのように利益をあげているか解って貰えたかしら?

 ああ、ほとんど先物取引と変わらないな。でも、遠坂? さっき言っていた値下がりしたら取引そのものを中止できるって、どういう意味だ?

 ええ。まさにそれこそが、さっきアーチャーが言っていた、「予約券を破棄する」と言うことなのよ。

 

↑凛が「100円で株を購入できる」予約券を買っておいた会社の株は、会社の経営不振で80円にまで値下がりした。80円の株をわざわざ100円で買う必要はない。そこで凛は予約券そのものを破棄することにした。

 

 

 オプションの予約券()はあくまで予約券よ。絶対予定通りに商品を購入しなきゃいけないと制約するものではないの。だから株の値段が下がり、自分に損が生じるのならば、その予約券そのものを破棄して株を買うことを拒否してもいいわけ。( ちなみに、この予約券のことをオプションプレミアムと呼ぶ)

 つまり、遠坂は株価が下がっても全然損はしなかったということなのか?

 いや、全然損はしなかったという表現は妥当ではないな。この例の場合、凛も損はしている。なぜなら最初に購入する予約券も無料では無いからだ。しかし、予約券を購入した分の代金は損するが、株価そのものの下落によって生じる損失はない、と言う訳だ。

 

↑株価が大暴落しても、凛の損害額は最初の予約券(オプションプレミアム)を購入した代金だけに抑えることができる。

 

 これは暴落した際、先物取引で取引した人の資産減少度合いと比べてみると、その違いがわかるわ。

 

↑青が先物取引で商品を買った人の資産。紫がオプションで商品を買った人の資産。

同じく暴落の憂き目を見ているのに、資産の減少度合いは全然違う。

 

 

 わかった! オプション取引とは要するに、「損害額がどんどん膨らむことは無いけど、利益があがる可能性はある」という取引なんだな?

 ご名答。つまり、オプション取引というのは金融工学の理念のひとつ、リスクコントロールがちゃんとされている取引と呼べるの。ただリスクを回避するための代価となるオプションプレミアムも決して安いものではないから、使いどころには注意してね。

 ちなみに、今、凛が説明したオプション取引は基本中の基本だ。実は他にもっと沢山のオプション取引の形態があるのだが、今回はこれぐらいにしてやろう。小僧の頭では一度に全部覚えきれるわけがないからな。

 く・・・(俺、やっぱり、こいつ(アーチャー)のこと苦手だ。)

 それはそうとシロウ。私はお腹が空きました。そろそろ昼食にしましょう。

 じゃあ、今回はこの辺でお終い。次回は株や商品の値段がどう動いているのかについて語るわよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―その頃、言峰教会では・・・―

 

 

 

 

 

 最近はネットで投資ができるとは、便利な世の中になったものだ。

 うむ。見てろ、言峰。我が英雄王たるトレーダーぶりを見せてくれるわ。世界の富を集めた我にとっては、ネットで為替など容易いことよ。 

 うむ、良哉良哉。ギルガメッシュよ。その力、見せてみよ。

 よし! まずは好調な上昇を見せているドル円相場を買いに出るぞ! ・・・おおっ!言峰?! 値段が下がり始めたぞ?

 止まらん、止まらんぞ! 言峰?! 我が買った途端、値崩れが始まったぞ?!

 止まれ! 値崩れよ、止まるのだ! 我は英雄王なりーッ!

 ・・・・・・。

 

ネット株に手を出した言峰とギルガメッシュは、さっそく危機的状況に陥っていた。

彼らの運命や如何に?

 

 

参考資料

はじめての金融工学 真壁昭夫・著  ファイナンス理論の新展開 久保田幸長・著

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